初夏の花々を追って 皿ヶ嶺(1,278m)
愛媛県東温市
2017年5月16日(火) 門久単独
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〈ヤマシャクヤク、コンロンソウ、ヤマブキソウの咲くお花畑〉 |
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ほぼ20日ぶりに皿ヶ嶺を訪ねた。
季節の進行が遅れがちなこの春ではあるが、この20日間の変化は大きいはずと思い、
午後2時半近くという遅いスタートではあったが、日没ギリギリまで山域を周回して多くのポイントに寄ってみた。
まだ花々の咲き具合は遅れがちであったが、多くのこの季節の花々に出会えた山行となった。
《山行記録》
水の元14:24・・・・14:25お花畑14:36・・・・14:50上林森林公園駐車場14:51・・・・15:00風穴15:04・・・・15:33直登道分岐・・・・16:14引地山分れ・・・・16:35十字峠・・・・16:46皿ヶ嶺三角点(1,270.5m)・・・・16:51皿ヶ嶺(1,278m)16:55・・・・17:15竜神平17:25・・・・17:58上林峠・・・・18:34林道出合・・・・18:40天狗の庭18:52・・・・18:58上林集落展望地19:02・・・・19:13水の元 〔総所要時間:4時間49分、休憩等:1事案05分、正味所要時間:3時間44分、歩行距離:9.4q累積標高差:±1,177m〕 |
14:24 水の元
今回のスタートは水の元からとした。水の元のお花畑に寄りたかったことと下山路を考えてのことであった。お花畑に入ってみると、今年は豊作が期待出来たヤマシャクヤクはもう花期を終えていた。見るべきものとしては、入口付近のコンロンソウと咲き進んだイチリンソウくらいであった。お花畑の最上部でヒカゲツツジが花をつけていた。ここでこの花を見るのは初めてのことであった。樹自体はよく見ているので、あるいはその花期にここを訪ねていなかったのかも知れない。お花畑を後にして杉林を抜けて上林森林公園の駐車場へと上って行った。林床にタニギキョウ、ユキザサ、ホウチャクソウなどが見られた。
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〈麓から見上げたこの日の皿ヶ嶺〉 |
〈平日ながらも車が満杯の水の元〉 |
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〈コンロンソウが満開の水の元の避難小屋前〉 |
〈イチリンソウ〉 |
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〈アワコバイモはもう実になっていた〉 |
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〈ツクバネソウ〉 |
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〈ここでは初めて見たヒカゲツツジ〉 |
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〈タニギキョウ〉 |
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〈杉の植林帯を抜ける〉 |
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〈ユキザサ〉 |
〈ホウチャクソウ〉 |
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14:50〜14:51 上林森林公園駐車場
上林森林公園の駐車場にも沢山の車が停められていた。もう午後3時直前となっており、多くの登山者が続々と下山して来られていた。どこかのグループが清掃登山を行っていたようであった。下山して来る方々と行き違うように登山道を登って行った。直ぐに現れたお花畑には一面黄色のヤマブキソウが広がっており、そこに白いアクセントを付けるようにイチリンソウが小さな群れを点在させていた。水の元ではもう終わっていたヤマシャクヤクが高度の高いここではまだ花開いていた。竜神平への正面登山道の途中から直登道に入った。険阻な道の両脇の森には沢山のヤマシャクヤクの姿があり、道沿いにはヤマルリソウ、イチリンソウ、ウワバミソウなどの小さな花々が多く、シコクカッコソウの群生地では満開の花が待っていてくれた。
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〈上林森林公園〉 |
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〈ユキモチソウ〉 |
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〈風穴〉 |
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〈皿ヶ嶺への登山口〉 |
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〈ヤマシャクヤク〉 |
〈ヤマブキソウ〉 |
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〈一面ヤマブキソウのお花畑〉 |
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〈イチリンソウとヤマブキソウ〉 |
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〈お花畑の斜面を登り行く〉 |
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〈この時期のお花畑の主役はヤマブキソウとイチリンソウ〉 |
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〈ハナイカダ |
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〈ラショウモンカズラ〉 |
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〈少し紅色を呈したイチリンソウ〉 |
〈森の林床にもヤマシャクヤクの姿が沢山あった〉 |
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〈ヤマルリソウ〉 |
〈名残りのハシリドコロの花〉 |
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〈シコクカッコソウ頃が満開〉 |
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〈シコクナベワリ〉 |
〈ウワバミソウ〉 |
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16:14 引地山分れ
引地山分れのある稜線部に上がると驚くことに遭遇した。十字峠から山頂近くに至る久万高原町側の杉林がそのほぼ全域で間伐されて尾根筋が明るくなっており、山の様子が全く変わってしまっていた。北側の東温市側の自然林にも日差しがよく当たるようになっていたので、今後尾根筋や樹林の植生が変わって来るかも知れない。度々寄るブナの古木の森やイワカガミの咲く岩場の上も随分と明るくなっていた。まったく様相が変わった尾根筋を十字峠を経て呆然としたような気分で山頂へと登って行った。
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〈引地山分れ〉 |
〈稜線部の杉林が間伐されて一変〉 |
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〈ブナの古木も若葉の〉 |
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〈イワカガミ〉 |
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〈杉が間伐されて明るくなった十字峠〉 |
〈芽吹いて間のないホウチャクソウ〉 |
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16:51〜16:55 皿ヶ嶺(1,278m)
午後5時前の皿ゖ嶺の山頂は無人であった。眺望が広がっており、ちょうど夕焼けとなった瀬戸内海を見渡すことが出来た。山頂広場近くのシャクナゲはまだ蕾であったが、山頂のヤマナシは満開の状態であった。長居は出来ないので直ぐに竜神平へと下って行った。山頂直下からの石鎚山の眺望はこの日は得られなかった。まだ緑色も浅いブナ林や杉の植生の中を竜神平へと下って行くと、湿原の花々が咲くのはまだ先のことであったが、小屋の裏手の水場の上にあるシャクナゲが見事に花を開けて満開に近い状態であった。日没までカウントダウン出来る時間帯となっていたので、竜神平での滞在も短時間にして上林峠への道を採った。
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〈夕焼けした瀬戸内海を望む皿ヶ嶺山頂〉 |
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〈松山沖の忽那諸島を遠望する〉 |
〈皿ヶ嶺山頂に咲くヤマナシの花〉 |
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〈山頂直下のツインのブナの樹〉 |
〈竜神平〉 |
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〈竜神平の水場のシャクナゲが花盛り〉 |
〈満開のシャクナゲ〉 |
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〈竜神平を抜けて上林峠へと向かう〉 |
〈上林峠へ向かう尾根筋の道〉 |
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17:58 上林峠
長い階段道を下って着いた上林峠は若葉の繁るブナ林の中にあった。ベンチにちょっとだけ腰を下ろして水を口に含んだだけですぐに下山路を採った。下り行くほどに深い森の中に入って行ったが、日没間近となってきて、森の樹々のシルエットが徐々に黒くなって行った。新緑が美しい天狗の庭に踏み入ると、西日がその森を照らして時々刻々その色合いを変化させていた。それは明るい幻想の世界を見るようで、急ぐべき足を止めてつい見入ってしまった。樹々の上では夕日が演出する幻想の世界が展開される一方、陽の射さない森の中は刻々と暗さが濃くなっていっていた。この明暗の混在した景観も魅惑的であった。森の暗さが明るさに勝ろうかという頃に、杉の植林の先に暮れなずむ棚田の中の上林集落の眺望が開けた。茜色の空気の中にその景色は浮かんでいるようであった。
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〈上林峠の若葉のブナ林〉 |
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〈上林峠へ下る長い階段道〉 |
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〈ヤマウツボ〉 |
〈シコクスミレももう名残りの〉 |
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〈午後6時半近くになって太陽が西に傾く〉 |
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〈天狗の庭〉 |
〈西日を浴びた天狗の庭の森〉 |
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〈天狗の庭に一条の夕日が射す〉 |
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〈植林越し暮れなずむ上林集落を俯瞰する〉 |
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〈樹間に夕焼けの松山平野、瀬戸内海を望む〉 |
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19:13 水の元
日没の時間が迫り杉林の中は黒々とした樹の影が一段と濃くなって行った。西の空の茜色も徐々に青色に変わろうとしていた。ほぼ日没の時間に水の元の登山口に下った。予期せぬ時間を費やしたが夕暮れの天狗の庭の景観や上林集落の眺望は魅力に満ちたものであった。
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〈残照の水の元に下山〉 |
〈静寂の水の元〉 |
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◆◆◆皿ヶ嶺の貴重な花々◆◆◆
この時期の皿ヶ嶺といえば、貴重な花々が咲く頃でもあります。
今年は花期が遅れておりどうかと思いましたが、やっと姿を現してくれたようでした。
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〈ちょうど見頃の一輪〉 |
〈植生と思われますが・・・〉 |
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〈3分咲きといったところか〉 |
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〈早咲きの代表選手〉 |
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〈揃い踏み!〉 |
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〈十分に見頃!〉 |
〈しっかりと咲いていました〉 |
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〈今年も咲いてくれました〉 |
〈モンキーの表情が見えますか・・!〉 |
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〈今年はやはりかなり開花が遅いようです!〉 |
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〔山行所感〕
皿ヶ嶺を訪ねる頻度が落ちて、なかなかお花畑の花々を追うことが出来ません。この日は許された時間目一杯に山域を歩いてみて、20日間の隙間を埋めようと努力しました。花々の変化は早く、これくらいの努力と想像力でその間の変化を理解、解読することは難しいようです。植生豊かな皿ヶ嶺を月に1度や2度の訪問で分かろうという方が間違っているのかも知れません。
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〈この日の軌跡〉 |
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