荒れる春山、のち晴 伯耆大山(1,709.4m)
鳥取県西迫郡大山町
2017年3月11日(土) 山の自由人(門久)
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〈夏山登山道を続々と登って来る登山者の列〉 |
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「山の自由人」のメンバー3人で伯耆大山を歩いてきました。
積雪155p、晴という絶好の春山日和の予報でしたが、
麓の天気は安定していたものの、山上ではブリザード気味の強風とホワイトアウト寸前の悪天に遭遇、
それでも天気は後半に改善してきて、変化の多い醍醐味に溢れる山行を堪能することが出来ました。
《山行記録》
南光河原駐車場6:35・・・・6:39大山夏山登山口・・・・7:00一合目・・・・7:19二合目・・・・7:38アイゼン装着7:46・・・・8:18五合目8:24・・・・8:48六合目避難小屋8:54・・・・9:44八合目・・・・10:09山頂小屋・・・・10:11弥山々頂10:22・・・・10:50草鳴社ケルン10:51・・・・11:17六合目避難小屋11:22・・・・11:41五合目・・・・12:06アイゼン外す12:10・・・・12:42大山夏山登山口・・・・12:47南光河原駐車場 〔総所要時間:6時間12分、休憩等:0時間41分、正味所要時間:5時間31分、歩行距離:6.9q、累積標高差:±1,008m〕 |
6:35 南光河原駐車場
前日深夜に広島を出て、午前3時少し前に南光河原駐車場に到着。ほぼ満車の駐車場に何とか駐車スペースを見付けて、車中で約3時間仮眠を取った。やや曇り気味の天気の下、夏山登山道から入山した。山上は風が強い様子であった。暫くメンバー3人で歩き、登山届を出してから各人の体調、趣向に合わせて歩くこととした。3合目への上りの急坂から足元が滑り気味になってきたので、霧氷の森が始まったことを契機に4合目直前辺りでアイゼンを装着した。4合目、5合目と高度を上げて行くに従って霧氷が美しさを増していった。生憎の曇天で、大山北壁も稜線部は雲に覆われていたが、霧氷の森だけは美しかった。5合目で小休止の後、樹林帯の上端部を抜けて行っていると、瞬間的ではあったが陽光が射すことがあった。その時の霧氷の輝きは実に見事であった。
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〈朝6時過ぎの南光河原駐車はもう満杯〉 |
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〈たっぷり雪が積もった夏山登山道に入る〉 |
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〈4合目辺りから霧氷が現れ始めた〉 |
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〈高度を上げるに従って霧氷が濃くなっていった〉 |
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〈5合目への急坂を登り行く〉 |
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〈振りかえれば霧氷の間に下界が覗く〉 |
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〈樹間に覗く三鈷峰は厚い雲の中〉 |
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鈷 |
〈霧氷に包まれた五合目〉 |
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〈5合目からも暫し霧氷の中を登り行く〉 |
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〈大山北壁の稜線はすっかり雲の中に隠れていた〉 |
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〈霧氷の森を登り行く登山者〉 |
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〈陽光に照らされた霧氷越しに孝霊山を俯瞰する〉 |
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〈陽光に輝く霧氷の林を登り行く〉 |
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〈稜線を覆う厚い雲の上から瞬間眩しい陽光が射す!〉 |
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〈夏山登山道の通る尾根を見上げる〉 |
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8:48〜8:54 6合目避難小屋
6合目避難小屋は完全に雪に埋まっていたが、穴を穿って出入りは出来るようであった。6合目までは眺望が効いていたが、その直ぐ上辺りからは、濃いガスに包まれていた。6合目から8合目は急坂続きである。6合目を出て直ぐにガスの中に入った。ホワイトアウト寸前で、前方の人と少し間隔を作ると人の姿が消えてしまい、乳白色のガスの中でちょっと不安になった。7合目辺りを過ぎると、ガスに加えて強風が襲ってきた。元谷から吹き上げてくる強風が、雪礫を伴って顔を打った。目も開けていられない程の時間帯もあった。サングラスで何とか目を保護した。気温も低下してきて、首周りが苦しいほどに冷えてきた。フードを被り前ファスナーを顎まで上げてガードするとひと心地つくことが出来た。雪上に立てられたポールとトレースを追って何とか雪と氷で凍てついた山頂避難小屋に到達した。更に濃いガスを突いて弥山々頂へと赴いた。
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〈6合目避難小屋は完全に雪に埋もれている〉 |
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〈六合目から元谷を見下ろす〉 |
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〈七合目辺りから上はガスと強風吹き荒ぶ世界〉 |
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〈元谷か噴き上がるガスはブリザードのようであった!〉 |
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〈荒れ狂う稜線に陽光が漏れ照らす!〉 |
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〈ガスと氷に包まれた山頂避難小屋〉 |
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10:11〜10:22 弥山々頂
弥山々頂もガスの中であったが、周りの人々の口から南壁の眺望が明けるとの情報がもたらされていたので暫し待っていると、白く流れる雲の中から、なおも白い大山の稜線部と南壁が姿を現してきた。暫くは姿を現したり隠されたりを繰り返していたが、徐々に出現した面積の割合が高くなって行って、そこに陽光までが射して幻想的な光景を呈してきた。暫し至福の時を過ごした。とは言え、概して山頂部は濃いガスと強風の世界で、長くいる気はせず、やや遅れ気味の単独行動を取っていたので避難小屋には寄らずに直ぐに下山の途に就くこととした。山頂台地の上は相変わらずの荒れた天気で、完全なホワイトアウト状態になることもあった。それでも7合目近くまで下って行くと、俄かに天気が回復してきて、夏山登山道の通る尾根筋ばかりではなく、大山稜線部や北壁までも綺麗に見え始めた。下るほどに、益々天気は好転して眩しいばかりの北壁や周囲の大眺望が楽しめるようになって行った。
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〈ガスの包まれた弥山山頂に佇む登山者〉 |
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〈ガスが明けて大山の稜線、南壁が見えてきた〉 |
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〈剣ヶ峰は強風下ガスに覆われ続けていた〉 |
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〈姿を現した剣ヶ峰!〉 |
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〈陽光に照らされた大山主稜〉 |
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〈すっかり姿を現した南壁と鑓尾根が美しい!〉 |
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〈大山南麓を俯瞰〉 |
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〈弥山山頂から見た山頂避難小屋辺りはガスの中〉 |
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〈夏山登山道はまだ強風下ガスに包まれていた〉 |
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〈蟻の行列のように登山者の列が続く尾根筋〉 |
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〈エビの尻尾の付いた草鳴社碑柱越の大眺望〉 |
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〈三鈷峰、甲ヶ山がきれいに姿を現す〉 |
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〈剣ヶ峰、北壁も見事に晴れて来た〉 |
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〈登山道の通る尾根筋を仰ぎ見る〉 |
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〈霧氷の森を抜けて登り来る登山者〉 |
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11:17〜11:22 6合目避難小屋
6合目避難小屋まで下って来ると、もう天気は安定してきていた。避難小屋で小休止の後は、遅れてやってきたこの好眺望と霧氷の森を楽しみながら下るだけであった。夏山登山道を下るのは久し振りで、過去の記憶はもう消えてしまっていたが、霧氷のブナ森の散策は素晴らしかった。かなり下ってから、アイゼン歩行が脚や膝に負担になって来た感じがしてきたのでアイゼンを外した。下るに従って斜度も緩くなり、潤沢な雪の道を壺足で楽に下ることが出来た。
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〈6合目避難小屋付近から北壁を見上げる〉 |
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〈別山バッドレスと弥山山頂付近の稜線〉 |
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〈剣ヶ峰の雄姿〉 |
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〈剣ヶ峰〜ユートピア〜三鈷峰へと続く稜線も見事!〉 |
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〈五合目の樹林に入る手前から山頂方向を見上げる〉 |
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〈雪に埋まった元谷を俯瞰する〉 |
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〈霧氷に包まれた行者谷コースの通る尾根を俯瞰〉 |
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〈霧氷越しに大山寺の集落を俯瞰する〉 |
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〈霧氷の森を下り行く登山者〉 |
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〈霧氷の上に頭を出した三鈷峰〉 |
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〈霧氷の森の木漏れ日〉 |
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〈青空に映える霧氷〉 |
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〈霧氷の森からユートピアを見上げる〉 |
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12:47 南光河原駐車場
6時間余の山行を無事の終えて夏山登山口に無事に下山した。大山環状道路には人の背丈ほどの雪の壁が出来ており、3月中旬を迎えたとは言え、大山寺の集落はまだ春遠い世界のようであった。
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〈一合目まで下ってきた!〉 |
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〈背の高さ程の残雪のある南光河原駐車場周辺〉 |
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〔山行所感〕
久しく遠退いていた本格的な雪山であった。雪の大山も2年振りであった。やはり、この季節の大山は楽しく気持ちが良い。この日は、天候の劇的変化がこの山の持つ多様な特徴と魅力、醍醐味をよりビビッドに堪能させてくれたと思う。良い山行であった。
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〈この日の軌跡〉 |
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