奥山の最後の紅葉 引き明けの森・天上山(972.6m)

広島県山県郡北広島町

2016年11月17日(木)   門久単独

 

 

 

 

〈紅葉した癒しの森を今年も訪ねた〉

 

 

 

紅葉見物も思うに任せられなかった今秋でしたが、

ここならまだ紅葉が楽しめるだろうと、

今年も天上山の中腹に広がる「引き明けの森」を訪ねてみました。

例年決して失望させることのないこの森の紅葉は、今年も例に洩れることなく見事な姿を見せてくれました。

 

《山行記録》

天上山登山口10:57・・・・・11:311堰堤・・・・11:412堰堤・・・・11:50ささやきの滝・・・・11:56「引き明けの森」標柱11:59・・・・12:10栃の古木12:11・・・・12:14周回路分岐(左折)12:15・・・・12:47周回路合流点・・・・12:53「悠久の森入口」(林道正木井仁線)・・・・13:29天上山(972.6m)(昼食)13:58・・・・14:21「悠久の森入口」・・・・14:28周回路分岐点(新東屋)・・・・14:42周回路合流点・・・・14:43栃の古木14:45・・・・14:51「引き明けの森」標柱・・・・15:022堰堤・・・・15:141堰堤・・・・15:42天上山登山口(龍頭橋詰)15:47・・・・15:55二段の滝・・・・15:58奥の滝16:04‣・・・16:06二段の滝(滝見台)16:11・・・・16:19天上山登山口

〔総所要時間:5時間22分、昼食・休憩等:0時間52分、正味所要時間:4時間30分、歩行距離:9.2q、累積標高差:±1,306m

 

10:57 天上山登山口

  国道から龍頭峡に入ると、峡谷にもまだ紅葉が残っていた。やはり今年の紅葉は例年に比べ遅れ気味のようだ。単独行なので、車を最奥の竜頭橋の先の広場まで乗り入れた。駐車場に先客の車はなかった。車を停めると天上山への登山口は目の前であった。身支度を整えて出発した。直ぐに渡渉してから強烈な急坂にかかった。10分程登って行くと龍頭峡の懸崖の中程を遡って行く巻き道に入った。右側が渓谷に切れ落ちている。20分足らず足元に注意して進んで行くと、三谷川の渓流沿いの道に出た。二つの堰堤を越えながら更に20分弱遡って行くと右手に小さなささやき滝が現れる。そこから険しい急登となり登り切ると待望の「引き明けの森」への入口に出た。

  

 

 

 

 

〈森林館は龍頭峡の核心〉

 

 

 

 

 

 

 

〈龍頭橋詰にある天上山登山口〉

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道に入って竜頭峡の高みの巻き道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈巻き道周辺はツツジの紅葉の盛り!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈龍頭峡の懸崖を眺めながら巻き道を行く〉

 

 

11:56〜11:59 「引き明けの森」標柱

  登山道脇に「引き明けの森」の標柱が立っていた。周囲を見渡すと、杉や樅,檜などの古木が林立している。この辺りはこうした針葉樹が多く、紅葉はさほど目立たなかったが、進むに従って徐々に色付き始めた広葉樹が交じってきた。この辺りも紅葉の進み具合は例年に比べて遅いようであった。標柱から10分間程で森の主の栃の古木に出会った。独特の風情を醸していた。その先で登山道は2分しているが、ここは出来るだけ森の広い部分を見ようと左の道を採った。その登山道は周回路となっており、右に分れた道と上部で合流する。周回路を登って行くと、森は急速に色付いていた。最上部に近いところ辺りから最奥部にかけて見事な紅葉の世界であった。今年も、期待を裏切られることはなかった。周回路の合流点まで行くと、昨年まではなかった東屋が建っていた。渓流沿いの登山道の危険なところもかなり修復されており、山域の整備が相当に進んでいるようだ。林道正木井仁線との合流点までの沿道の森の紅葉もまた見事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登山口から約1時間で「引き明けの森」に入る〉

 

 

 

 

 

 

〈古木の間の広葉樹が色付いてきていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈森の主の栃の古木〉

 

 

 

 

 

 

〈周回路に入ると樹々の色合いが濃くなってきた〉

 

 

 

 

 

 

 

〈古木の森が黄金色に輝き始めた〉

 

 

 

 

 

 

 

〈古木の森ならではのダイナミックな紅葉〉

 

 

 

 

 

 

 

〈紅葉のグラデーションが展開される森〉

 

 

 

 

 

 

 

〈美しき森が健在〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈深き森を燃えるが如く大きく包むカエデの枝〉

 

 

 

 

 

 

〈黄金色の森に入る〉

 

 

 

 

 

 

 

〈周回路の上の合流点に新しい東屋が出来ていた〉

 

 

 

 

 

 

 

〈頭上を覆う紅いカエデ〉

 

 

 

12:53 「悠久の森」入口(林道正木井仁線)

  「引き明けも森」を出ると林道脇に「悠久の森」と刻した碑が建っていた。ちょっと左手の井仁方面へ下って行くと直ぐ右側に天上山への登山道の入口があった。その道に入ると、道は杉や檜の植樹林の中に延びており、それまでの紅葉の森から姿を一変させた。斜度はかなりきつく、急登が延々と続く感じであった。林道から20分程辛抱して登って行くと尾根道に出た。歩き易いその道を辿って行くと天上山の山頂に導いてくれた。

 

 

 

 

 

〈木漏れ日の射す林道正木井仁線との出合〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ウリハダカエデの落ち葉が積もった登山道を登り行く〉

 

 

13:29〜13:59 天上山(972.6m)

  天上山の山頂には丸太のベンチが設けられていた。本来は樹林に囲まれた山頂であるが、西側だけ広く樹々が切り払われており、十方山や恐羅漢山などのスカイラインが望める感じで、この日は靄がかかり、山容は薄いシルエットを見るだけであった。遅い昼食を急いで摂ってから、来た道を下山することとした。急坂故に林道までは素早く下れた感じであった。「引き明けの森」に戻って、上りにとは別の周回路を周囲の紅葉や巨木ノ森を楽しみながら下った。  

 

 

 

 

 

〈丸太のベンチが設置されていた天上山々頂〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈登り来た尾根筋の道を採って下山の途に!〉

 

 

 

 

 

 

〈色付いた下生えの美しい尾根筋を下る)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈「悠久の森」入口から「引き明けの森」へと入る〉

 

 

 

 

 

 

〈立派な古木群には心癒される!〉

 

 

 

 

 

 

 

〈古木群も紅葉した樹林に包まれる〉

 

 

 

 

 

 

 

〈頭上も見事な錦色の世界!〉

 

 

 

 

 

 

 

〈100年〜400年程の樹々が林立する〉

 

 

 

14:51 「引き明けの森」標柱

  「引き明けの森」を抜けると、後は渓流沿いの道や懸崖の中程の巻き道を足元に注意しながら淡々と下って行くだけであった。この日、山中に入ってから人に会うことはなかった。今日は、あの素晴らしい「引き明けの森」を独り占めしたようである。

 

 

 

 

 

〈「引き明けノ森」を出て三谷川のせせらぎへと下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈高い竜頭峡の懸崖を巻いて下る〉

 

 

15:42〜15:47 天上山登山口

  無事に登山口に下った。折角であったので、荷物を車に納めてから滝見物に行ってみた。雨の少ないこの時期ゆえ、二段の滝、奥の滝ともに水量が少なく、寒しげな姿であった。渓流沿いの紅葉は日陰となって、ちょっと冴えない感じであった。

 

 

 

 

 

〈紅葉した園地が隣接する登山口へ下る!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈二段の滝〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈奥の滝〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈二段の滝のすぐ下流部の紅葉〉

 

 

16:19 天上山登山口

  滝見物も無事に終えて登山口に戻った。龍頭橋詰の園地の植樹の紅葉が西日を浴びて輝いているようであった。平日ということもあってか、この辺りの園地にも人の姿はなく、やっと人に会ったのは、帰りの名水汲み場で水を汲む人を見た時であった。

 

 

 

 

 

〈龍瑠橋:登山口はこの橋の直ぐ奥〉

 

 

 

筒賀の大銀杏(筒賀大歳神社)

 

この日の朝方、龍頭峡に入る前に筒賀の大銀杏を訪ねた。

紅葉、落葉も続き、この日は最後の見頃といったところであった。

 

 

 

 

 

〈落葉の大絨毯を敷き詰めた境内〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈落葉寸前の大銀杏〉

 

 

 

 

 

 

〈秋色に染まった筒賀の里〉

 

 

 

〔山行所感〕

  何とか見たかった今年の山の紅葉も、期待した通りに引き明けの森で見ることが出来た。例年、少々遅く訪ねても決して期待に背くことのない貴重な紅葉の名所である。それにしても、素晴らしいここの紅葉を訪ねる登山者の数は少ない。大事にして行きたい森である。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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