盛夏の四国カルストを歩く 大川嶺(1,525.0m)・笠取山(1,562.0m)
愛媛県上浮穴郡久万高原町
2016年7月22日(金) チャコ&門久
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〈夏の花咲く大川嶺〉 |
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愛媛・東温市に滞在中の一日、避暑を兼ねて四国の山を歩くこととした。
行き先は、いつも皿ヶ嶺の山頂から久万高原町の街並みの先に眺めている大川嶺。
四国カルストの一角を占める標高1500メートルの高みで夏の花々を眺めながら
涼風に吹かれようとの目論見であった。
《山行記録》
大川嶺分岐点11:03・・・・11:25大川嶺(1,525.0m)11:30・・・・12:18笠取山(1,562.0m)(昼食)12:48・・・・12:59水無林道登山口・・・・13:44大川嶺分岐点 〔総所要時間:2時間41分、昼食・休憩等:0時間35分、正味所要時間:2時間06分、歩行距離:4.8q、累積標高差:±244m〕 |
11:03 大川嶺分岐点
松山と高知を結ぶ国道33号線の久万高原町御三戸(道の駅“みかわ”の高知寄り直ぐのところ)から「大川嶺牧場」の指導標に従って県道328号線に入って走ること35分(17.5q)で大川嶺山域の中心と思える大川嶺分岐点の三差路に着いた。実は、その1q余手前の美川嶺辺りから山歩きを始めたかったのだが、牧場が閉鎖されたから暫く経った山域は笹が繁り登山道の入口がはっきりしなかったので、つい車道を先へと走って大川嶺分岐点に達してしまったのであった。
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〈スタート地点に立つ案内版〉 |
〈県道328号線と水無林道の三差路が「大川嶺分岐点〉〉 |
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「大川嶺分岐点」の大きな看板の立つ三差路の脇に車を停めた。ちょうど沿道の除草隊の方々も来られたので、作業の邪魔にならないことを確認してから山歩きのスタートを切った。三差路から車道がこの山域の最高峰・笠取山方面に延びているが、その道から右手に外れて東方の美川嶺から延びてきている尾根上に出た。笹に覆われた尾根筋であったが、尾根上には深い所は腰近くまで笹に埋まるものの大川嶺へと続く踏み跡があった。笹を分けながら大川嶺の山頂に向けて緩やかなスロープを登って行った。シモツケソウの紅い花が咲き、イブキトラノオの姿も多かった。まだササユリの花が沢山咲いていたのは嬉しかったし、咲き始めたツリガネニンジンの花に夏の到来を感じた。何よりも驚いたのは、斜面一面を埋めたイブキトラノオの群落であった。これほどの群落を見たのは初めてのことであった。大川嶺の山頂まで笹原が続き、マムシの心配を放逐する為にストックで行く手の笹を打ちながら強硬に進んで行って。
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〈林道からシモツケソウ(バラ科)咲く斜面を登り尾根筋に上がる〉 |
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〈尾根筋の笹を被った踏み跡に乗ってスタート地点の方角振り返る〉 |
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〈一面イブキトラノオ(タデ科)に覆われた尾根筋を登り行く〉 |
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〈ササユリ(ユリ科)〉 |
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〈ツリガネニンジン(キキョウ科)〉 |
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〈牧場の柵沿いに大川嶺山頂に向け登り行く〉 |
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11:25〜11:30 大川嶺(1,525.0m)
登山口から20分程で二等三角点の建つ大川嶺の山頂に到着した。笹原に囲まれた猫の額ほどの空地のある所で、周囲360度の眺望が開かれていた。北方には久万高原町の平地が望めたが、その後背の皿ヶ嶺を始めとする東温アルプスの山並みは残念ながら雲に覆われていた。その東方遥かには石鎚山の山塊が確認出来た。南方向の四国カルストの山並みの観察はこの先の笠取山の山頂からすることとして、先を急ぐこととした。大川嶺を出ると進行方向を南に変えて笹の繁るスロープを下った。ここからは笠取山に至るまでの間小さなピークを幾つか越えて行くこととなった。その小ピークの斜面を埋めるようにイブキトラノオやシモツケソウなどのお花畑が広がっていた。その鮮やかさ、美しさには心打たれた。将に天空の花園であった。足元の笹は相変わらず深かったが、その見事な花園と山域の大きな眺望などを楽しみながらの山行は心楽しいものであった。小ピークを越える度に笠取山のピークが近付いてきて、最後は笹原を駆け登ってその頂きに着いた。
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〈大川嶺の二等三角点〉 |
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〈大川嶺山頂〉 |
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〈石鎚山を遠望〉 |
〈久万高原町方面、東温アルプスには雲が懸かっていた〉 |
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〈笹原を下って鞍部から大川嶺山頂部を見上げる〉 |
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〈小ピークを幾つか越えて進むとこの山域の最高峰・笠取山がきれいに見え始めた〉 |
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〈草地に咲くイブキトラノオとシモツケソウのコラボが鮮やか!〉 |
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〈オトギリソウ(オトギリソウ科)〉 |
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〈イボキトラノオとシモツケソウが咲く尾根から美川嶺方面を望む〉 |
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〈花園を観察中!〉 |
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〈イヨフウロ(フウロソウ科)〉 |
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〈コオニユリであろうか?まだ蕾!〉 |
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〈夏の花々の見事なコラボ!〉 |
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〈笹を分けて笠取山を目指して進む!〉 |
〈小ピークを越えると笠取山が近付いてくる〉 |
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〈シュロソウ(ユリ科)〉 |
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〈シモツケソウとツリガネニンジンのコラボ〉 |
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〈ヒヨドリバナ(キク科)〉 |
〈トモエソウ(オトギリソウ科)〉 |
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〈笠取山への最後の上り〉 |
〈越えて来た大川嶺からの小ピーク群を振り返る〉 |
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12:18〜12:48 笠取山(1,562.0m)
登り始めてから1時間15分で笠取山の山頂に到達した。大川嶺の山域の最高峰で、山頂は笹に覆われていた。北側から西側はやや高い灌木が繁っており眺望を得るのは難しかったが、南から東に掛けては素晴らしい眺望が開けていた。何よりも四国カルストの眺望は大きなものがあった。天狗高原から大野が原方面までの大眺望であった。天狗高原の先には石灰岩の採掘で有名は鳥形山の姿も認められた。そんな大眺望の中で昼食を摂ってから、下山の途に就いた。下山は山頂からその南側を巻く車道終点の水無林道登山口に下り、車道を歩いて大川嶺分岐点に戻ることとした。車道沿いにも夏の花々を見ることが出来た。花々を眺めながら、よく管理された道筋を山域の大きな眺望を堪能しながら戻った。
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〈ウバホド山へ続く尾根〉 |
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〈三等三角点が建つ笠取山々頂〉 |
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〈遥か南に四国カルスト天狗高原を望む〉 |
〈石灰岩の採掘が進む鳥形山(高知県仁淀川町)を遠望する〉 |
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〈中津明神山を望む〉 |
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〈水無林道登山口の石灰岩の露岩〉 |
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〈山頂部に立つ道標〉 |
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〈登山口付近の水無林道〉 |
〈ホソバヤマハハコ(キク科)〉 |
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〈アカバナ(アカバナ科)〉 |
〈イヨフウロ(フウロソウ科)〉 |
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〈ノリウツギ(ユキノシタ科)〉 |
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〈林道を車を停めた大川嶺分岐点まで帰る!〉 |
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〈路傍に咲くカラフルな花々〉 |
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13:44 大川嶺分岐点
車道を順調に歩いて出発点の大川嶺分岐点に戻った。2時間40分程の短時間の天空の散策であったが、なかなかに中味の濃い山歩きであったように感じた。広大な山域の大眺望とイブキトラノオの大群落のお花畑が素晴らしかった。そこにシモツケソウの紅いインパクトが付加されて絶妙の景観を形成していた。登山者だけではなく、車で山頂近くまで来る観光客も多いようだ。この日も幾台もの車が車道を行き来するのを目撃した。
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〈大川嶺を望みながら林道の下山路を急ぐ〉 |
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〈大川嶺分岐点に帰着!〉 |
〈オトギリソウ(オトギリソウ科)〉 |
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〔山行所感〕
登山と言うより山上散歩といった山行であったが、山域の景観、周辺の大眺望、それに夏の花々の大群落と、期待以上に素晴らしい山行となった。ガイドブックによれば、今日歩いた尾根筋のコースは「パノラマコース」と呼ばれているようだが、このルートは私のお薦めのコースの一つに加えることにしようかと思う。ただ、大川嶺牧場が閉鎖されている今、尾根筋の登山道は笹の中に埋もれようとしており、そうなっては山歩きどころではなくなるであろうと危惧する。大川嶺は夏ばかりではなく、四季折々に美しいところ! いつまでのその美しい山域を気軽に歩ける環境が保持されることを祈らないではいられない。
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〈この日の軌跡〉 |
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