梅雨時の四国の里山を駆け足で周回 皿ヶ嶺(1,278m)

愛媛県東温市

2016年7月12日(火)   門久単独

 

 

 

 

〈竜神平にハンカイソウ(キク科)が咲き始めた〉

 

 

 

暫く山行から遠ざかっていたが、用件で四国に渡ったこの日空き時間を利用して皿ヶ嶺を急ぎ足で歩いた。

梅雨前線の活動が活発化して、九州や中国地方は強い雨となったが、

前線から南へやや離れた四国は雨の心配はなかったが、気温は熱中症が心配なほどにグングンと上った。

厳しい環境ではあったが、久し振りの皿ヶ嶺に咲く花々と会うのを楽しみにして歩いた。

 

《山行記録》

風穴下15:53・・・・15:57風穴・・・・16:10直登道分岐・・・・16:37ベンチのある休憩所・・・・16:45竜神平16:56・・・・16:58畑野川分岐・・・・17:17皿ヶ嶺(1,278m)17:25・・・・17:30皿ヶ嶺三角点(1,270.5m)・・・・17:37十字峠・・・・17:48引地山分れ・・・・18:01直登道分岐・・・・18:10風穴18:20・・・・18:23風穴下

〔総所要時間:2時間30分、休憩等:0時間29分、正味所要時間:2時間01分、歩行距離:5.4q、累積標高差:±559m

 

15:53 風穴下

  朝方に広島を発って愛媛へ。昼過ぎから松山市内、東温市内で矢継ぎ早に用件を片付けてから皿ヶ嶺への登山口の上林森林公園へと車を走らせた。麓の昼過ぎの気温は34℃であったが、標高950メートル程の山上は23℃という涼しさであった。時刻は午後4時前、山歩きが出来るのはあと3時間ほどであるので急ぎ山歩きを始めた。先ずは風穴へ。ヒマラヤの青い芥子が群れをなして見事に穴の中で咲いていた。ビデオ撮影しているグループや若者のグループなどの姿があったので、帰路に再度立ち寄ることとして山上へと向かった。登山道沿いはギンバイソウが勢力圏を広げて花園の主となっていた。既に開花を始めており、これからか盛りを迎えようとしていた。地味な花ではあるが、満開になると捨てがたい魅力のある花である。急ぎ足ではあったが、その他にも花を見付けると極力写真を撮りながら進んだ。沢筋に踏み入りと、ホトトギスや早咲きのイワタバコの花や蕾を見付けることが出来た。

 

  

 

 

〈緑色が増す田んぼ越しに皿ヶ嶺を仰ぐ〉

〈風穴直下の路傍からスタート〉

 

 

  

 

 

〈フシグロセンノウ〈ナデシコ科〉〉

〈冷気が吹き出る風穴〉

 

 

  

 

 

〈テレビの撮影隊の入った風穴〉

〈見事にヒマラヤの青い芥子が咲き揃った風穴の中〉

 

 

  

 

 

〈ギンバイソウ〈ユキノシタ科〉とモミジガサ(キク科)で埋まった花園〉

〈ギンバイソウ〈ユキノシタ科〉が花開く〉

 

 

 

 

 

 

〈緑色が濃くなる登山道を竜神平へと急ぐ〉

 

 

 

 

 

 

 

〈登山道を埋めるギンバイソウ(ユキノシタ科)の群落〉

 

 

 

  

 

 

〈沢筋にホトトギス(ユリ科)が開花していた〉

〈早咲きのイワタバコ(イワタバコ科)が蕾を付けていた〉

 

 

  

 

 

〈ヤマアジサイ(ユキノシタ科)

〈クサアジサイ(ユキノシタ科)〉

 

 

  

 

 

〈ヤマトウバナ(シソ科)

〈ノリウツギ(ユキノシタ科)〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ヤマシグレ(スイカズラ科)

 

 

〈ブナの緑も濃くなってきた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈木漏れ日刺す登山道を行く〉

 

 

16:45〜16:56 竜神平

  一時間足らずで竜神平に着いた。午後4時を過ぎた山中でもう登山者に会うことはなかった。竜神平の湿原の花も気になっていたが、遠目にもハンカイソウが咲き始めているのが確認出来、それを見に行ってみると草原の中でコバギボウシも咲き始めていた。小休止を取ってから皿ヶ嶺山頂を目指した。その道中にまだササユリの花が見られ、皿ヶ嶺ではこの梅雨の最中に咲くヤマツツジの花も姿を現した。沿道のブナの森は濃い緑の森となっていた。晴れた日には樹間から覗く石鎚山はこの日が姿を確認出来なかった。

 

  

 

 

〈竜神平の木立〉

〈愛大小屋の建つ竜神平〉

 

 

 

 

 

 

〈湿原にハンカイソウ(キク科)が咲き始めた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈コバギボウシ(ユリ科)も咲き始め〉

 

 

  

 

 

〈山頂への登山道脇に咲くササユリ(ユリ科)

〈梅雨のシーズンに咲くヤマツツジ(ツツジ科)

 

 

 

 

 

 

〈山頂直下のブナ林〉

 

 

 

17:17〜17:25 皿ヶ嶺(1,278m)

  午後5時を回った皿ヶ嶺の山頂は勿論無人であった。久万高原町や高知県境方面は濃いガスや雲に閉ざされていた。それでもだいぶ陽が傾いた西方の眺望は開けており、夕日を反射して輝く瀬戸内海を遠望することが出来た。梅雨の季節に見るのは稀有な景観であった。山頂での暫しの滞在の後、十字峠、引地山分れを通って直登道で風穴まで下った。稜線部の森の緑は濃くなっており、引地山分れを過ぎて稜線を離れて北面の下降を始めると暫く眼前から消えていたギンバイソウが改めて姿を現した。稜線直下の笹原を音を立てながら驚いたように駆け逃げる小動物の動線が確認できたが、果たしてあれは何だったのだろうか。想定外に遅い登山者の出現が山の秩序を乱してことは間違いなかったようであった。

 

  

 

 

〈皿ヶ嶺山頂〉

〈久万高原町方面はガスに閉ざされていた〉

 

 

 

 

 

 

〈西に傾いた陽を映して輝く瀬戸内海を遠望する〉

 

 

 

  

 

 

〈オカトラノオ(サクラソウ科〉〉

〈皿ヶ嶺二等三角点〉

 

 

  

 

 

〈十字峠〉

〈老ブナ繁る稜線部〉

 

 

  

 

 

〈引地山分れから風穴へと下る〉

〈険しい下山路沿いにもギンバイソウの群落が繁る〉

 

 

 

 

 

 

〈上林森林公園へと下ってきた〉

 

 

 

18:10〜18:20 風穴

  登り始めた直後に立ち寄った風穴に再度寄った。午後6時の風穴周辺はまだ日没の時間を迎えていないこともあって昼間同然に明るかったが、もう人の姿はなかった。吹き出る冷気が霧となって流れ出てきていた。その風穴に置かれたプランターには数え切れないほどのヒマラヤの青い芥子の花が咲いていた。色々な種類の種子から育てたのであろうか、咲いた花の色合いはひとつだけではなく、濃い青、淡い青、紫がかった青色、赤みがかった青色等々と多彩であった。夕暮れの静かな環境の中で、それらの花々をゆっくりと鑑賞した。

 

  

 

 

〈風穴へと戻った!〉

〈冷気が霧となって流れ出る〉

 

 

 

 

 

 

〈夕暮れの光の中に咲くヒマラヤの青い芥子〉

 

 

 

 

 

 

 

〈将にブルーポピーと呼ぶに相応しい色合い〉

 

 

 

 

 

 

 

〈花は小振りながらも、紫がかった色合いが美しい!〉

 

 

 

 

 

 

 

〈多様な色合いのヒマラヤの芥子の花が咲く風穴の中〉

 

 

 

 

 

 

 

〈冷気が結んだ霧の中に咲く!〉

 

 

 

  

 

 

〈青い芥子の花咲く風穴の中〉

〈自然の吐息〉

 

 

18:23 風穴下

  2時間半の急ぎ気味の山行を無事に終えて車を停めていた風穴直下の車道へと戻った。山道具を片付けてから山を下ろうとしたものの、車道沿いに植栽された紫陽花の花があまりにも見事だったので暫しその花を楽しんだ。下界の紫陽花の花期はもう終わってしまったが、標高1000メートル近いここの紫陽花は、今ちょうど開いた直後の新鮮な花で、森閑とした中に凛と咲いていた。これから夏いっぱいはまだまだ楽しめる。

 

 

 

 

 

〈風穴直下の車道沿いに植えられた紫陽花が見事に開花!〉

 

 

 

 

 

 

 

〈周囲の杉林と調和して見応えのある咲きっぷりである〉

 

 

 

 

 

 

 

〈標高950m程の高地ゆえ、麓の紫陽花が終わってから花期を迎える〉

 

 

 

〔山行所感〕

  梅雨も終盤となってきて、風穴のヒマラヤの青い芥子の咲き具合や竜神平の湿原の花々の様子などが気に懸かっていたので、夕刻の本来ならもう山には入らない方が良い時間帯ではあったが、敢えて駆け足気味に皿ヶ嶺を周回してきた。青い芥子は殊の外沢山の立派な花を咲かせていた。コバギボウシが咲き始めた竜神平の湿原はこれから本格的な花の季節を迎えることになりそうであった。ギンバイソウの花が開き切ると、皿ヶ嶺は本格的な夏の花々や気の早い秋の花々が姿を見せる時節を迎えることになる。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

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